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by musasinokosugi
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恒例飛田東映3本立。

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先週の飛田は寅さんをやらない週だったので無理して行かなくても良かったのだが「ホタル」だけは見ておきたいと思って行って、結局3本とも見てしまったが、それぞれ期待していた以上にいい映画だったのでなんか得した感じである。邦画は今週火曜日まで番組に変更はないが、洋画の方は「ホテル・ルワンダ」(←これは一度見ているがもう一度見る価値はあると思ったのである)他が先週金曜日迄だったので迷った末邦画にした。洋画と邦画の両方見ると一日6本になってしまうので、もう若くはないし評論家でもないから(!)止めといた。ぁそ。GYAO!ではWB・TVの新着2本「アウト・オブ・タイム」と「暗殺者」を見たが、出演陣が豪華なわりに大した映画ではなかった。 

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1.昭和侠客伝

 この映画だけは以前飛田で見ている。フィルムが古く、雨こそ降っていないが色調がセピアというよりはオレンジ色に赤く染まっていた。
 主演の鶴田浩二も共演の吉行和子も若かった。梅宮辰夫も当時まだニューフェイスだったのか若々しく、待田京介と共に鶴田を慕うチンピラ役をしていた。
 鶴田浩二というと、最後の殴り込みのシーンでは毎回倒れては起き上がり、起き上がっては倒れるという迫真の演技が思い出されるが、今回単独での殴り込みでは最初にまず何箇所もドスを突き立てられてしまうが、悪の頭目を追い詰めて刺すまで、微かに手は震えるがよろけることはない。そしていつものように最後は死んでしまうというのもお決まりのパターンである。

「仁義なき戦い」のシリーズが登場するまでの東映ヤクザ映画というのは、言ってしまえば伝統的な勧善懲悪の「チャンバラ映画」のヤクザ版といった趣きがあり、「堅気の衆」と折り合って「任侠の鏡」のような生業をしていた「正義のヤクザ」に、これも時流の変化か、目的のためには手段を選ばない「悪の権化」のような新興勢力がなんやかや因縁をつけて来て、最初「いいもん」は忍耐に忍耐を重ねて我慢し続け、「いいもん」が何人も殺され(手遅れになってから?)ようやく健さんや鶴田浩二が立上がって悪を滅ぼすのである。
 水戸黄門は8時45分になると「助さん、格さん、懲らしめておやりなさい!」と指示するのが有名だが、ヤクザ映画も残り30分もないくらい相当終わりに近づかないと見せ場たる殴り込みの場面には至らないのである。それも徒党を組んでの殴り込みは例外的である。結果健さんが死ぬのは稀だが、鶴田浩二は、それが「特攻隊の生き残り」を自認していた彼の美学からか、目的を果たした後よく死ぬ。w

昭和侠客伝(1963) - goo 映画昭和侠客伝(1963) - goo 映画

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2.新撰組

 これは三船プロの作品で三船敏郎が主演の近藤勇役で、彼が上洛から板橋で官軍によって「斬首」される迄を演じている。当時近藤は幕閣「若年寄」の身分だったにも関わらず「切腹」は適わなかったのである。享年35歳(数え)だった。若い。彼の首は京都三条河原や大阪千日前でも晒された。
 映画が史実に忠実だったかどうか私にはわからないが、少なくとも私がよく見聞きしている範囲と大きな隔たりはなかった。近藤一行の上洛には15日かかっている。今は新幹線で2時間である。

 映画では池田屋は京都祇園祭の宵山の夜襲撃された。30名程の勤皇の志士の密会を近藤隊8名が襲うのである。追って土方隊の援軍到着により新撰組は大きな戦果を勝ちとり、一躍「佐幕の星」となる。沖田総司は池田屋襲撃に参加するが吐血して途中離脱する。
故・司馬遼太郎は「この事件がなかったら薩長主力の明治維新は永遠にこなかったであろう」とまで言っているが、一方そもそも襲撃を根拠づけた「尊攘派の陰謀」自体が新撰組のフレームアップだったという説もある。
 あと、坂本竜馬を殺したのは近藤勇だという説もあるがこれも真偽は不明である。京都河原町通の四条から三条へ行く途中には(どこかの旅行社の前だったかに)「坂本竜馬暗殺の地」という石碑が立っていて、30年以上前に初めてこれを見たときにはちょっとびっくりした。
 新撰組やその隊士列伝等はwebに沢山アップされているから、幕末に興味のある人はご自分でサーチして下され。ぁそ。

新選組(1969)(1969) - goo 映画新選組(1969)(1969) - goo 映画

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3.ホタル

 神風特攻隊の生き残りの話である。監督降旗康男。主演高倉健、共演妻知子役が田中裕子。
 二人は昔特攻隊の前線基地のあった鹿児島・知覧の港で今は「とも丸」というボロ船を操りながらカンパチの養殖の仕事をしている。妻知子は「とも丸」を入手した14年前から腎臓を患っており、透析を受けながら二人三脚で漁業に精を出しているという設定である。(goo映画のあらすじでは「肝臓で透析」などとアホなことを言っている。)
 田中裕子も健さんもこういう渋い役を着実にこなしていい味を出している。夫婦でコーヒーを点てて岸壁で飲むシーンがあるが、健さんのコーヒー好きは有名なのでこれは地で行けたのではないか。彼は喫茶店の梯子をする人だそうである。

 山岡秀治(高倉健)の元へ、今は青森へ行っている特攻仲間の藤枝真実(水橋貴己)が雪の八甲田山で遭難死したという知らせが孫娘によって齎される。藤枝の息子夫婦は死因の詮索には熱心でないが、孫は自殺ではないかと疑っている。「隔世遺伝」という奴で彼女は祖父の青年時代に関心を持つのである。彼ら二人の共通の上司=故・金山少尉は実は知子のかつての許婚だった。
 二人が隊員だった頃面倒を見てもらっていた国営食堂のおかみ・別名「知覧の母」=山本富子(奈良岡朋子)が高齢のため引退を決意するが、そのお別れパーティの折り、金山少尉の遺品を彼の朝鮮の実家に届けてくれるよう、山岡夫妻に頼む。・・とまあ、そういう話である。
 gooのユーザー評価は48点と低いのであるが、何を見ているのか、私にはユーザーたちの映画を見る眼こそ48点以下としか思われないのである。w

 あとタイトルの「ホタル」は、明朝出撃するという隊員の一人が「自分は敵艦に体当たりした後必ずホタルになってこの食堂に戻って来るから、ホタルを見ても追い払わないでくれ」と言い残したことに由来する。旧大日本帝国軍隊に徴用され、特攻隊の一員として出撃した金山少尉も「ホタル」となって遺品だけの里帰りを果たすわけであるから、知子がラスト前雪のちらつく金の故郷で「あ、ホタル」と冬のホタルを目撃するのは蛇足と言うべきである。

ホタル(2001) - goo 映画ホタル(2001) - goo 映画

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by musasinokosugi | 2009-10-26 12:29 | 写真・ムービー等